2010年01月07日

Node warrior

竹の曲がり直し

今日は少しカタい話をしてみます。
本当はここ十勝の大きなニジマスの釣りの話でもしたいのですが、いかんせん、現在は雪で閉ざされている世界・・
窓の外の雪景色でも眺めながら、まさに今やっている作業、竿創りの話でもさせていただこうかというワケです。

何かと言うと、竹片の曲げ伸ばし(ここではあえて“伸ばし”と言う表現を使います)についてです。バンブーロッド・ビルダーさんそれぞれによってその手段・方法やアプローチはそれぞれなんでしょうけど、「私の場合はこう考えてする」ということで、決して他の方法を否定したりするものではないことをまず最初に。みなさんの表現や手段は違えど、つまるところ目指すものは同じなのではないかという気がしていますから。

それで最初はまず、丸い竹をバリバリバリッとスプリットにしたところからいきます。その状態の竹片は、それこそ自由奔放に、あらゆる方向に曲がり、捻れているものです。
このひとクセもふたクセもある厄介なシロモノを真っ直ぐにするのに、私の場合はアルコールランプを使います。アルコールランプと限定する理由はこれと言ってないのですが、竿を創り始めた当初からアルコールランプを使用していて、一番使い慣れていますから・・・あるいは、アルコールランプの炎の場所による温度差を使うことに慣れているから、と言った方が誤解が少ないかもしれません。

やり方ですが、まず炎に翳す前に大まかな竹の曲がりを見ます。
それから、先端から順番に10cm〜20cmの間をぐるぐると回しながら熱を加えていきます。この熱を加える時間は長年の勘とでも言いましょうか・・・竹片それぞれによって厚みやクセがひとつひとつ違いますので正確にきっちり何秒とか言えないのですけど、そこは今までにかなりの数の竿を創っていますのでそこから得た経験則、としておきましょう(下積みが長いので^^;)

fire.jpg

竹片に熱を加えていると竹が柔らかくなっていくのが分かります。そこで瞬時に竹の曲がりを修正していくのです。
注意することは、繊維をキッチリと真っ直ぐにすること。これがなにより大切です。感覚的にはシワを伸ばしていくような感じでしょうか。一カ所のシワを伸ばすとそのシワが順にずれていくような感じです(和竿師さんがアテ木を使ってやってるのと同じような作業ですね)。
そうしてそのシワが節に移動してきた時に、節の部分での曲がり(の方向)がはっきり分かり易くなるんです。

次に節の曲がりも直すわけですが、この部分はご想像通り非常に厄介でして・・・
節を境に竹の繊維の高さ(横断面から見た場合)が違っていたりします。
節の曲がり直しには一般的には「節をプレスする(押さえ込む・圧縮する)」というような表現が用いられることが多いようですが、実際にやってることはもっとデリケートなことで、「プレス」という言葉から想像するような力業ではない、というのが本当のところだと思います(作業として客観的に見る分にはまさしく「プレス」なのですけど、ここらが表現のややこしいところです)。

mending the node

私の場合、節の曲がり直しで最も重要で重点をおいているのは、節の前後の高さを合わせることなんです。必要によっては多少ですが節を押さえることもありますけど、それはあくまでも前後の繊維の高さを合わせることを目的とした手段のひとつに過ぎません。仮に節を必要以上に押さえこんだりすると今度は横方向に曲がりが出たりしますのでその辺の加減が難しいところなんです。正直に言うと、私の場合は、番手やセクションにより節の押さえ込み加減を微調整したりもしますので・・・

とにかく、ここは最も神経を使う工程です。
竹の動き、反応、に全神経を集中させて、竹に丹念に訊きながら、とでも言う感じでしょうか。
そんな風に、この厄介な部分と向き合いながら、竿創りを進めています。


***


Most delicate process in making a bamboo rod is to mend twisting or bending of the nodes of the split cane.
A split cane has a meandering shape in nature, I should make it straight very very carefully, asking to and hearing from the split through my hands and eyes.

That is a really quiet and tough work.
Sometimes I would be a trainee monk of Zen or something like that.
I do, however, not dislike that :-)
posted by Tokachi rod at 12:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | Diary
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